「分からないことがある時は質問をして、きちんと理解するようにしましょう」というのは、今どきはどこでもあたり前のように言われることだと思います。(多少の温度差はあるかもしれませんが)
 
では、あなたは、質問と聞いて、どんなスタイルを思い浮かべますか?
例えばセミナーやミーティングの席で、どんなふうに質問の意思表示をするでしょうか。
 
  1. 話を最後まで聞いて、「質問は?」と聞かれたら手をあげて質問する
  2. 話のきりが良い所で、手をあげて「質問してもいいですか?」と許可を求める
  3. 会が終わってから個人的に質問しに行く
  4. 話している途中で手をあげて「質問してもいいですか?」と許可を求める
  5. 話している途中でそのまま質問する
日本の場合、1か2を想定している人が多いのではないでしょうか。
 
日本では、人が話をしている時に遮ってはいけない、話の腰を折ってはいけない、というふうに教えられてきています。だから、みんな話は黙っておとなしく聞いているし、授業やディスカッションの際にも、誰かの話の途中で手をあげることは少ないですよね。
 
しかしそれは、日本を一歩出ると全然スタンダードではありません。
 
アメリカに留学した当初は、色々な国から集まった学生たちの質問や発言のしかたの違いにずいぶん戸惑ったものです。
 
一番おどろいたのは、ボリビア人のクラスメート。授業中、先生が話をしている最中に、手をあげることもなく、いきなり質問や反論のコメントを挟みます。まるで1対1でディスカッションでもしているかのようで、こんなのもありなのか、と感心したのをおぼえています。
 
彼は極端な例ですが、他の学生も、授業中、先生の話の途中で遠慮なく手をあげますし、ディスカッションをしている際にほかの人の発言の途中でも質問を挟みます。最後まで聞くとか、キリが良いところで、とかではなく、疑問に思ったことや明確でないことがあればその場で質問するのですね。
 
だから逆に、話し終わるまでじっと聞いている、最初の方に話したことについても後でまとめて質問をする、といった私のスタイルに違和感を感じた人も少なからずいたことと思われます。
 
背景として、言語や論理の展開のしかたが違っているということもあるのでしょう。
 
日本語は最後まで聞かないと、文章全体の意味が分からないことが多いです。
 
例えば、 
I have a pen. 私はペンを持っている
 
I don’t have a pen. 私はペンを持っていない
  
 
英語の場合は文の最初でペンを持っているのかいないのかがわかります。一方、日本語は最後の語尾まで聞かないと、肯定なのか否定なのかがわかりません。
 
ですから話を最後まで聞くというのは、礼儀やマナーという以前に、日本語という言語の特性からくる習性であり、またコミュニケーションを円滑にするための知恵でもあるのかもしれません。
 
とはいうものの、外国人と上手くコミュニケーションを取るためには、自分たちにはそういう習性があることを認識した上で、相手に伝わりやすくする工夫と努力が必要です。
 
プレゼンやディスカッションをするときも、英語では「まず結論から最初に」と指導されますし、「分からないことはすぐに聞いてその都度明確にする」というのが前提です。
 
そういう彼らにとっては、延々と背景の説明をされたり、説明しても質問されることなく最後まで黙って聞いていられるというのは、不可解だったり居心地悪く感じることのようです。ビジネスの場では特に。
 
まずは最初に結論を言うこと。
「むむ?」と思ったら、話の途中でも質問してぜんぜんOK。
 
それを知っておくだけでも、だいぶコミュニケーションの流れが変わってくるのではないでしょうか。